マグネシウムは、実用金属中最も軽く、パソコンや携帯電話などに用いられてきました。
2003年に、熊本大学で、従来にない優れた強度と耐熱性を持つ革新的なマグネシウム合金を開発し、これを「KUMADAIマグネシウム合金」と名付けました。
さらに2012年には不燃マグネシウムを開発しました。これらの合金は日本のみならず世界の企業から注目されています。熊本大学では、この合金に関する先端的な研究を行っています。KUMADAIマグネシウム合金を例えば自動車や航空機などに応用すると、軽量化により二酸化炭素の排出を減らし燃費を向上させることができます。
すなわち、KUMADAIマグネシウム合金は「環境に優しい材料」として期待されるものです。
熊本大学では、研究人材の育成と材料研究推進を図るために「熊本大学先進マグネシウム国際研究センター(MRC)」を設置し、マグネシウム合金の研究開発拠点となることを目指します。
熊本大学のMg研究グループ、プロジェクトの変遷
2001 | 粉末冶金法によるLPSO構造をもつマグネシウム合金の開発 |
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2003 | 鋳造法によるKUMADAI マグネシウム合金の開発 地域新生コンソーシアム研究開発事業実施(~2004) 熊本大学高性能Mg合金創成加工研究会発足 |
2005 | 熊本大学拠点形成研究B採択 |
2006 | 地域結集型研究開発プログラム(CREATE)実施(~2011) |
2009 | 科学振興調整経費「国際共同研究」実施(~2011) |
2010 | 地域イノベーション創出研究開発事業実施 |
2011 | 科学研究費補助金:新学術領域研究「シンクロ型LPSO構造の材料科学」実施 (~2015) 2011年12月、熊本大学先進マグネシウム国際研究センター(MRC) 開設 |
2012 | KUMADAI 不燃マグネシウム合金の開発 |
2014 | JSPS「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム」実施(~2017) |
2016 | 熊本大学の「国際先端研究拠点」に認定 |
2018 | 科学研究費補助金:新学術領域研究「ミルフィーユ構造の材料科学」が発足 |
2021 | 熊本大学・富山大学 先進軽金属材料国際研究機構(ILM)が発足 |
2022 | 文部科学大臣認定「共同利用・共同研究拠点」軽金属材料共同研究拠点が発足 |