KUMADAIマグネシウム合金から誕生した「ミルフィーユ構造」に関する
オールジャパンの大型プロジェクト「新学術領域研究」がスタート
KUMADAI耐熱マグネシウム合金の強化の源である「シンクロ型LPSO構造」に関して、文部科学省の科学研究費補助金で最も大規模なプログラムである新学術領域研究が、本学の先進マグネシウム国際研究センター(MRC)の河村能人センター長が領域代表者となって、平成23~27年度の5年間、オールジャパン体制(23大学・国研の57名の研究者)で進められました。その結果、「微視的な硬質/軟質の層状構造のキンク強化」という新しい材料強化機構が半世紀ぶりに発見されました。
今回、これをより積極的に利用して「ミルフィーユ構造」へと発展させた新学術領域研究が継続の研究課題として採択され、5年間(平成30~34年度)の予定でスタートしました。「理工系」の新学術領域研究には76件の応募があり、採択されたのはわずかに7件でした。領域代表者は東京大学の阿部英司教授であり、本学のMRCからは河村能人センター長が幹事・班長として、山崎倫昭准教授が計画研究代表者として、また眞山剛准教授が連携研究者として参画しており、領域内の共通試料の作製もMRCが担っています。
今回の新学術領域研究では、材料、力学、物理、化学、数学という異分野融合による知の結集により、前回の新学術領域研究の「シンクロ型LPSO構造」から発展した上位概念である「ミルフィーユ構造」に着目し、「キンク強化理論」に基づく新たな学問体系を構築するとともにMg合金のみならずTiやAl系合金などの新規金属・高分子・セラミックス系材料を包括する次世代構造材料の創製に展開させ、これらを通して新しい学術領域を構築することを目指しています。熊本大学で誕生した新しい学術領域が大きく発展していくものと期待されます。
平成30年度 科学研究費助成事業「新学術領域研究(研究領域提案型)」新規の研究領域について
採択された研究領域一覧